少年ベニヤは、ベニヤ板工作の天才だった。
しかし、ベニヤ板は大きい。
それを組み合わせた作品はもっと大きい。
彼は、土地の不足という問題に突き当たった。
そんなとき、彼に朗報がもたらされた。
アフリカの某国が「いくらでも土地を提供するので是非我が国で作品を作って下さい」と言ってきたのだ。
しかし、少年ベニヤには飛行機代がなかった。
アフリカにさえ行ければ……。
そう思った少年ベニヤは妙案を思い付いた。
ベニヤ板で飛行機を作ってしまえば良いのだ。
少年ベニヤは自作の飛行機でアフリカに旅立って行った。
……そしてアフリカの某国に到着すると、国籍不明機として撃墜されてしまった。
(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)